2018年04月23日

読後感 “おらおらでひとりいぐも” “蹴りたい背中”  

“おらおらでひとりいぐも”
 若竹千佐子著  河出書房新社 2018年芥川賞
“蹴りたい背中”
 綿矢りさ著  河出書房新社 2007年芥川賞

「おらおらでひとりいぐも」の方は昨日1日で読了した。
これは単行本ではなく、雑誌「文藝」2017年冬号、図書館で借りたもの。
「蹴りたい背中」は4月初旬夫の入院時、病院の談話室の図書棚からチョイスしたもの。
 なぜこれらを並べて、読後感を書くかといえば、期せずして若竹さんが自分の小説は青春小説とは対峙した玄冬小説である、と述べておられるが、その通りで、その青春小説の代表みたいなものが「蹴りたい背中」だったこと。
 正直、最近の小説は作家が若いということもあり、それなりに面白いが何か薄いようで、感動が今一つ足りないと感じていた。
 事実、「蹴りたい背中」も、もう内容は殆んど覚えていない。確かに私にも高校生時代はあり、主人公の女子の気持ち、共有する部分もあって、表現力上手いなあと思ったことだった。
 でも、「おらおらでひとりいぐも」は、正にシニア世代に向けてのもので、最近これほど感動した小説はない。
 内容は、お一人様の老後生活の話しだった。
 私はいつもの癖で、まず1章を読み、後は最終章5、次4、3、2と読んでいった。
 雑誌だからP数は分からないが、案外短めの小説だったような。
 1章は、最初から東北弁の語り口、それも浪花節調? まるで古典の「宇治拾遺物語」を読み解くような・・・  でも不思議と読解出来た。
 著者は「老い」をテーマにしている。
 誰にでもくる老い、老いとは・・・いろいろな経験をして、物事が分かってくる。しかしそれと同時にいろいろなものを失っていく。そしてその寂しさに耐えていくしかないのだろうか。
 そんなことを言いたいのではなかろうか。
 私の舅が亡くなってしばらく経った頃、私の亡き母が私に言ったことをふと思い出す。
 「あんたの姑さんから電話があったよ、『独り住まいは寂しい、息子の家族と暮らしたい、娘さんにその旨話してもらえないだろうか』って。 私、あんたが困るだろうと思って言っておいたよ。『お母さん、私も独りで寂しいんですよ。でも子供たちに迷惑をかけたくないから耐えているんですよ。お互い頑張りましょう』って」
 その時、私はハッとした。
 私はそれまで、母が独りで寂しがっているとは思っていなかったから。
 強気な母だったから、父が亡くなってもそんなにダメージがあるとは思っていなかった私。 子供たちにはいっさい寂しさを見せずいつも強がっていたことを知った。
 主人公の桃子さんは寂しさを紛らわすため、頭の中にいつも大勢の人たちを登場させて会話を楽しんでいる。
 最終章では、誇りにしている孫娘が現実に桃子さんを訪ねてくる。
 何もかも忘れて喜び一色になって終わっている。
 これって何を言いたいの。
 結局、老いを受け入れその日その日を楽しく生き、そして滅びていこう、ということかなあ。
 感想としては、人はみな、一人生きて、滅びていく、何も恐がることはない、それでいいのだ、ということだった。
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2018年04月19日

読後感 “蜜蜂と遠雷”

恩田 睦著   幻冬舎  2016年発行
第156回直木賞受賞作  第14回本屋大賞

 輝かしい賞を2個もとっていて、新聞TV等でも絶賛されていたので、胸をワクワクさせながら本を開いた。
 で、びっくり、500P以上の分厚い本なのに、2段書き。読む前に萎えてしまった。
 でも、読むしかない、と思って読み始めると、不思議なことに物語の中に吸い込まれていった。
 ただ、決して面白いからではない。むしろ、私には難しい内容で殆んど理解できなかった。
 物語は、日本で行われる世界的なクラシックピアノコンクールが開催された3日間の話で、日本人出場者5人の織り成す出来事と心の葛藤を現したものだった。
 音楽の世界、その中のピアノ、正にマニアックな言語が散りばめられた文章には、私には全く未知の世界で、正直ついてゆけなかった。
 これは、音楽に携わる人には奥の深い素晴らしい作品なのだろう。
 私はただ、最終的に誰が勝ち残るのだろう、それを知りたい一心だった。
 それで読了出来た次第である。
 さて、私はタイトル「蜜蜂と遠雷」が何を意味しているのか知りたかった。
 主人公風間塵(じん)16歳、彼は養蜂家の息子である。
 彼は、ピアノも買ってくれないが、父親の生き方を尊敬している。
 父の蜜蜂を追い続ける姿に、自分の音符を追い続ける姿を重ねているのだろうか。
 遠雷は、稲光は見えないが、地響きのような鋭い音が人々の胸を震わせる。
 それはとりもなおさず、ピアノをたたく音が、観客の胸を震わせるのと似ている・・・から?
 私なりに導き出した答えである。
 今一つ私が読了できたのは、短いスパンで、登場人物がコロコロ変わる文章の書き方だったこと。 
 これって、読んでいて飽きさせなかった。
 とにかく、この本は、音楽に精通している人しか理解できない高尚なものだったということ。
 恩田さんて、アーティストなんですね。
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2018年03月23日

NHK朝ドラ“わろてんか”

 昨年10月から始まった朝ドラ、わろてんか、興味深く毎日楽しく観ている。
 感想を書こうと思いながら、気が付けばもうすぐゴールという今日になってしまった。
 TVドラマは、モデルがいる方が、架空の人のものよりドラマティックである。
 「事実は小説より奇なり」といわれるように。
 今回は、現在お笑い界ではトップ、吉本興業の創始者吉本せいさんがモデル。
 周りの登場人物のモデルも、伊能栞(小林一三)、万丈目吉蔵(玉松一郎→秋田實)、キース(エンタツ)、アサリ(アチャコ)等と、私はリアルタイムに名前を知っていた人たち。
 特にアチャコさんは、ラジオドラマで「お父さんはお人よし」を、かじりついて聞いていたあこがれの人。
 若い時はあんな感じだったんだ、と感慨深い。
 私がこのドラマを観て、日々感じていることは、この時代に女社長として大成していく彼女の素晴らしさである。
 男であれ女であれ、人の上にたって采配を振るうということは、仕事に対する愛、お客さんに対する愛、従業員に対する愛が基本だということかな。
 てんさんは、お笑い(寄席)という、特殊な世界だった。
 戦争に巻き込まれ、苦労も半端なかった。
 そんな中、慈善活動もやるという、人間的にも優れた人だったのではなかろうか。
 ドラマは、実際のせいさんとは、異なるところも多々あるみたい。
 吉本せいさんを書いた本はたくさんあるとか。
 山崎豊子著の「花のれん」は名作である。
 改めて読んでみたい。
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2018年02月25日

読後感 “寂聴さんのしあわせ法話”

著者 瀬戸内寂聴 2017年発行

 今日夫はウォーキング例会だったが、雨のため中止、そのためずっと居間で、テレビのチャンネルを独占していた。
 で、私は、昨日姉が貸してくれた標記の本を読むことに。
 姉は、寂聴さんのことを崇敬しているみたいで、私にも薦めてくれたのだろう。
 私は、寂聴さんが得度される前に出された本は、何冊か読んでいる。
 そのころの作風は自分ファースト主義で、相当な自信家と理解していた。
 ただとても正直でストレートなところは好きだった。
 その後、突然出家されて、連日テレビのワイドショーの標的になったりしておられたが・・・
 今は、天台宗の住職もされたりしたので、煩悩を捨て仏に帰依した生活から生み出した法話なのかな、と思っていた。
 15話、30分程で読了。
 まず、大きな文字で行間も広く、読みやすい、老人向けかな。
 内容は、寂聴さんが仏に帰依したことで得とくした話ではない。あくまでも年齢を重ね経験を重ねたことで得とくした話で、寂聴さんならでの法話だった。
 みごとに、昔の瀬戸内晴美さんとは別の人格になられたように感じた。
 第一に慈悲深くなられた。 誰に対しても平等に優しくなられた。
 これこそ、神仏に仕える人の神髄なのではなかろうか。
 寂聴さんりっぱなお坊さんです。
 寂聴さんのおことば
 「つらいときこそ笑おう」
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2018年02月08日

映画 “31年目の夫婦げんか”

 2012年 アメリカ映画
 監督 デヴィッド・フランケル  
 キャスト メリル・ストリープ  トミー・リー・ジョーンズ  

 メリル・ストリープが好きなことと、題名が私の好きなジャンルぽい気がしたので、録画して観た映画。
 感想だが、メリル・ストリープが、生活感あふれるリアルおばさん役を、ごく自然体で演じていたのが、私的にはとてもショックだった。
 若い頃の彼女は、スリムで知的な美人だった。
 その後年齢を重ねるもずっと美しさを保ちながら、それ相応のかっこいい役を演じておられたから。
 今回、セックスレスを悩む主婦役。
 どことなく気品はあるものの、体型もすっかりおばさん化してしていて、しっかり役にはっまっていた。
 劇中の主人公ケイも、夫が自分を女性として見てくれないのは、自分が年をとり容姿が衰えたからだと思い悩む。
 それでも諦めず、その手のセラピーで、夫婦でカウンセリングを受け、みごと新婚時代を思い出す、という物語。
 一種のコメディーみたいなところもあったりして・・・
 私が共感したのは、プレゼント、夫は妻の誕生日プレゼントに生活必需品を送る。
 男は妻が欲しがっていたので喜ぶと思っているが、女は喜べない。なぜなら女はそんなものは生活費で買えるから。自分では買えない何か愛のこもった贅沢なものが欲しいのだ。
 実は私が思い当たったのは逆パターン。
 かつて子供のクリスマスプレゼントにジーパンをあげたことがあった。私は子供が欲しがっていたので、良かれと思ってのことだったが、子供は泣きだした。子供はゲームが欲しかったのだ。
 ちなみに私は、プレゼント、別に何も欲しくない派。 欲しいものは自分で買うから。
 今一つ感じたことは、この映画、アメリカの熟年夫婦の話し、6年前とはいえ日本より純でまともな夫婦の話しだった。
 今の日本では全てではないが、妻はもうこんな無駄な努力はしないだろう。
 夫が振り向いてくれないなら、私は私で好きにやる、という方向にいっちゃうのでは。
 現に芸能界では、肉食女性と言われる人たちがいて、モラルなんてどこ吹く風、みたいな・・・
 思ったことは、こんなことを映画にするということは、アメリカ人て、真面目なんだなあ、ということ。
 そしてもう一つ思ったことは、どんなに美しい女優さんでも、年齢を重ねれば容姿は衰え、体型は崩れるもの。
 でも、その年齢に応じた役を体当たりでやれば、観客に感動を与えられるんだなあ、ということだった。
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2018年01月21日

映画 “8年越しの花嫁”

 2017年 12月 日本(松竹)映画
 監督 瀬々敬久  脚本 岡田惠和
 キャスト 佐藤 健  土屋太鳳
 
 今年元旦に劇場で観た映画。
 前評判はかなり高かったが、老人の私にはあまり興味がなく、別に観たくて観た映画ではない。
 元旦に劇場で映画を観るのが私のおきまり、で、例年そうだが概ね観たい映画は上映していない。
 その中で、チョイスした映画。
 物語は、岡山県に暮らす結婚を約束した若いカップルに起こった、突然の禍とその後の顛末の奇跡。
 佐藤健、土屋太鳳という美男美女が演ずるこの愛の軌跡、これが実話でなかったら、こんな話ありえへん、とそっぽを向いただろうが、これが実話となると、さすがの老女私めも、感動せざるをえなかった。
 身体障害と記憶障害が残った彼女を、8年間愛し続け、介護し続けた青年。
 長いこと生きてきた身からは、8年間はそんなに長くはないが、1番大事な20代〜30代の8年間はやはり長い、これを先の見えない人に託することは、普通の人は出来ないのでは。
 彼はやはり只者ではない、愛に満ちた人間的にも西郷どんのようにおおらかな男性だったのだろう。
 また、彼女の両親も、彼に負けず劣らず愛に満ちたおおらかな人たちだった。
 だからこそ奇跡は起きたのだ。
 この世は意外と化学的には解決されなくても、神がかり的、精神的なもので解決されることもあるのでは・・・
 この映画を観て、もう一つ感じたことは、人間の身体の危うさである。
 いつ何時でも、どういう形ででも、信じられないような恐い病魔は襲ってきて、人の人生を狂わせるのだなあ、ということ。
 そしてそれを治すには、奇跡を待つしかないということ。
 私には、その方が、心に重くのしかかってきたのである。
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2017年12月22日

大河ドラマ “直虎” 最終回

 今年も大河ドラマを50回、全て観た。
 直虎は、明るくて優しくて逞しくて、戦国時代にこんな女城主が実在していたなんて、感動しかない。柴咲コウさんに、ぴったりはまり役、とても素晴らしかった。
 最終回は彼女に関わった人たちの死が描かれていた。
 生あるものは、いつか終わりがくる。
 直虎の最後はロマンティックだった。
 彼女を愛した3人の男たちに出迎えられて、4人ともども笑顔で旅立った。
 あの世で、彼女を巡って争奪戦が勃発するかも・・・
 最高のハッピーエンド。
 加えて、師と仰ぎ常に支えてもらっていた南渓和尚も、彼女を追うように亡くなった。
 和尚が可愛がっていた猫ちゃんは、取り残されていたけど。
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2017年09月14日

映画 “最高の人生の見つけ方”

 2007年 アメリカ映画
 監督 ロブ ライナー  
 キャスト モーガン・フリーマン  ジャック・ニコルソン

 アメリカ映画にはめずらしい地味なヒューマンストーリー。
 経済力はあっても家族の愛には恵まれていない病院経営者エドワード、片や家族の愛に包まれてはいるが、時間に追われた生活をしていた堅実な自動車整備士カーター。
 2人は余命いくばくもない老人、同じ病室で療養生活をしていくうち仲良くなる。
 カーターが空想の世界で密かに作ったバケットリスト(死ぬまでにやりたいことリスト)を、2人はエドワードの財力で、ひとつひとつ実行していこうということになる。
 2人は病院を抜け出し、旅に出る。
 それは、世界中を巡って、したいことを実行するという壮大なものだった。
 そして一つ一つクリアしていく快感。
 やがて夫々のタイムリミットが来た。 
 2人は思い残すことなく天国に旅立つというストーリー。
 素直な感想だが、全て金があってのものだね、我々にはとうてい真似できない、羨ましい、というひとこと。
 あと、どんな人でも、たとえ悪人でも、もちろん善人でも、死ぬのは怖い、できれば安らかな気持ちで逝きたいと願っている。 
 そして死は万人平等にやってくる。
 この2人は生きてきた道は違ったが、死ぬときは夫々の自分たちの人生に感謝した。
 そして天国では同じ門をくぐった、・・・のかな。
 私も、自分の人生に、巡り合った人たちに、感謝して、安らかな気持ちで逝きたいなあ。
 ちなみに、マイバケットリストを作ったら、どんなことが残っているだろう。
 やっぱり、孫に会いたい、かな!
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2017年07月09日

読後感 “女と男の品格”

 2017年5月 株文芸春秋
 伊集院静著

 新聞にベストセラーとしてランキングされていたので、伊集院さんファンの私、すぐに図書館に予約していた本。
 読んでがっかり。
 何のことはない、週刊文春に掲載された悩み相談のQ&A集。
 解答者が伊集院静氏というだけの本。
 この手の指南書とか処方箋とかは、雑誌や新聞、今ではネットでも、あらゆるところでお目にかかるが、こんなものがベストセラーになるの?て感じだった。
 とかなんとか言いながら、私、ちゃっちゃっという早業で読んでしまったけど。
 で、内容は何一つ覚えていない。
 そもそも悩み相談なるものは、下世話な独りよがりのものばかり。
 解答をもらっても、何の解決にもならないだろう。
 ただ思うのは、伊集院氏も、私たちとあまり変らない思考の持ち主で、そんなに品格があるわけではないのだなあ、と、この解答集を読んで思ったことだった。
 折しも松居一代さんが、生きるの死ぬのと言って悩んでおられるようだが、傍から見たら、単なる痴話げんかで、滑稽きわまりない。
 悩み相談というのは、本来品格とはほど遠いもの。
 この本のタイトル、皮肉なの?
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2017年06月22日

読後感 “騎士団長殺し第2部”

 村上春樹著  2017年 新潮社

 第1部を読了した時、さして続きが気になった訳ではない。
 第2部があるなら、読まないわけいかないでしょう、という強迫観念でしかなかった。
 読み始めたら虜になって止められない、という感じではない。
 むしろ、物語の中にどうしても入り込めない、決しておもしろくないというのではない。
 ぼちぼち、休み休み読まないと、身が持たないというような、長い長い小説なのだ。
 いつものように、途中からは、最後の章から後戻りしながら読んだ。
 で、早々に主人公私が、(離婚届けはまだ出されていなかった)別れた嫁と寄りを戻し、しかも自分の分身であると思われる子供まで授かり、幸せを取り戻すというハッピーエンドを知ってしまった。
 でも、この小説は主人公のありふれた結婚生活の顛末話しという、単純なものではもちろんない。
 著者は何を言いたいのか、私なりに考えてみた。
 「騎士団長殺し」は、絵のタイトル、その絵の中の人物が現実の世界に現れて、主人公や彼の周りの人たちとも関わっていくという、幻想の世界・・・
 その中で、過去の悲惨な歴史や、戦争体験者のトラウマを伝えたかったのでは。
 最終的には、東北の震災まで心は及び、家族とは、親子とは、絆とは、までに発展したのではなかろうか。
 この本、すぐに海外にも訳されて発売されるという。
 こんなに分かりにくい小説が、いかに訳され、いかに理解されるのか。
 不思議なのは、むしろ、海外に人気があるという。
 北野映画が海外にも理解されるというのは分かるが、村上文学が海外に人気があるというのが、私には今一分からない。
 ちなみに私には、ずしりと心に重く届いた小説だった。
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2017年06月19日

読後感 “90歳何がめでたい”

 佐藤愛子著  2016年  小学館

 週刊誌「女性セブン」に隔週連載されたエッセイを本にしたものである。
 このところずっとベストセラーになっており、評判になっていたので、図書館から借りて読んだ。
 佐藤愛子さんは作家としてと言うより、ひところ遠藤周作さんや北杜夫さん等の交友関係でよくテレビに出ておられたので、私の中では文化人としての認識が高かった。
 考えてみれば彼女の著書は「戦いすんで日が暮れて」しか読んでいないような。
 今回のこの本は、大きな字で行間も広く、内容も気軽に読めるエッセイ集、「騎士団長殺し・第2部」を読む片手間に、読み上げることが出来た。
 感想は、老人あるある話しで、私もあるあるオンパレードだったので、人間は老いると皆同じ道を通るのだなあ、と改めて思ったことだった。
 特に共感したのは、耳が遠くなって不自由な生活を強いられている話である。
 本当は深刻な悩みなのに、彼女はそれをユーモラスに描いている。
 彼女のポジティブ性格は、生活にも文章にも顕れているのでは。 羨ましい。
 彼女はまた、時折自分のことをおとしめておられるが、根は心優しい人ではないかと思った。
 それは、愛犬「ハナちゃん」の段や、「アクセサリー・不用品買取屋」の段で、彼女の本当の姿が見え隠れしたから。
 とにかく、彼女の90歳の人生は、めでたい!というより、あっぱれである。これからも・・・
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2017年05月26日

読後感 “騎士団長殺し・第1部”

 村上春樹著  2017年 新潮社

 村上春樹氏の新作として発表され、話題になった時すぐに図書館に予約したら、意外と早く順番が回ってきた。
 読み始めたのが昨日夕食後、今日返却日だったので、深夜2時まで掛かって読み上げた。
 まずプロローグから読んだ。
 内容がなかなか頭に入らない。
 「騎士団長殺し」というぶっそうなタイトルを見て、西洋の時代物かなあ、と思ったが、それが絵のタイトルだということだけは、すぐに分かった。
 ただ、この小説がなぜそのようなタイトルがつけられたかは、25章でやっと理解出来た次第。
 物語について行けない時、私は、後ろから読むことにしている。
 この本もなかなかのめり込むことが出来ず、遅々として先に進まなかった。
 で、1/3ほど読んだところで、最後の章から読むことに。
 すると、進む進む、簡単に読了出来た次第である。
 物語は、離婚にむけて準備している男性画家が、他人の別荘(空き家)で独居しているのだが、その中で、不可解な世界との遭遇あり、現実の世界の人々との触れ合いありのお話。
 その何がそれほど優れた作品なのか。
 考えてみる。
 空想と現実をうまくかみ合わせて、読者に創造力と刺激を与えてくれるところではなかろうか。
 漫画「ドラえもん」が子供に人気があるのは、現実ではありえないと分かっていても、楽しい世界が味わえ、心が満たされるからだろう。
 小説は創作だから自由自在になんでも出来る。
 読者は常に、視野の広い、想像もつかない面白い世界の小説を待っているのである。

※今日図書館にこの本を返却したら、“第2部”が即借りられた。
 感想は後日。
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2017年04月23日

読後感 “劇場”

 又吉直樹作  2017 新潮 4月号

 又吉さんの2作目の作品、いったい彼は本物なのか、見極めるためにもぜひ読みたかった。
 図書館に貸し出しを申し込んでいたら、順番が回ってきた。
 今回の作品は、恋愛小説というふれ込みだったので、よりいっそう楽しみだった。
 そこで、読後の感想だが、彼は完全に彼独特の作風を樹立した本物の作家さんに間違いないと思ったことだった。
 ただ、恋愛小説とは思えなかったけど。
 現代のあるマニアックな世界の若者たちの生活、そこにはもちろん男女の交遊もあり、売れない劇作家としての活動もある。
 日常生活の何気ない人とのコミュニケーションを羅列したに過ぎないものなのに、主人公の心の闇や、いい加減さや、それでいて真面目さが、読み手に深く入り込んでくる。
 それは、心の描写の表現力が優れているからだろう。
 大阪弁でトツトツとしゃべるように書かれている文章を読むと、どうしても後ろに又吉さんが透けて見えるのは、私だけ。
 しかも1人称の文章なので、私小説ではないかと思ってしまう。
 私はこの作品を読んで、ふと石原慎太郎著「太陽の季節」を思い出した。
 それは裕福な世界の若者たちの生き様を描いたものだった。
 又吉さんの「劇場」は貧乏な若者たちの世界。
 両方ともマニアックな世界で、両方とも地に足が着いていない若者たちの話で、世代や時代背景は違うが、何か似ていると思ったことだった。
 「劇場」に、ストーリーはあってないようなものだが、クライマックスは最終章だろう。
 主人公永田は彼女との別れは必至のものと捉えながら、彼女には、2人が一緒に幸せになる未来の夢を語る。
 彼女も、ありえないことと思いつつ、一緒に夢を見るふりをする。
 これがハッピーエンドか否か?
 現実は、確かに又吉さんは、夢が叶い大出世しておられる。
 さて、こんな存在の彼女さんがおられたのか?
 でも、もう結婚しておられるだろうなあ。
 
※今日夫は元職ウォーキングクラブ例会に参加
◎コース 小長井町小川原浦地区散策
◎歩数――9,680歩  ◎距離――約7q  ◎時間――約2時間  ◎参加者――27名
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2017年04月04日

TVドラマ “やすらぎの郷”

 4月はTV番組改編期
 その中で、鳴り物入りで始まったテレビ朝日のお昼のドラマである。
 時間帯が「徹子の部屋」の後、いわゆるシルバータイム。
 まさにマイ世代に向けての初めてのドラマではないだろうか。
 ほんとうに待っていた。
 いつの頃からか、話題のドラマを面白いと思えなくなった。
 だから観たことがなく、ゆえに若い俳優さんたちを殆んど知らない。
 ただ、バラエティー、お笑い、情報番組はよく観るので、タレントさんはまあまあ知っているかな。
 さて、「やすらぎの郷」だが、老人ホームのはなし。
 姉を施設に見舞った時、私は正直とても失望した。
 とても暗いイメージがしたから。
 でもそれは、姉が全介護の状態だからかなあ。
 「やすらぎの郷」は元気老人のホームである。
 人間、必ず最後の時が来るなら、そのことを受け止めて、いかに豊かな心で、毎日を笑顔で過ごすか。 過ごすことが出来るのか。
 倉本聰さんは、そんな理想郷のホームを設定して、その中で繰り広げられる人間模様を描いておられるのだろうか。
 キャストは、石坂浩二、浅丘ルリ子、有馬稲子、加賀まりこ他、往年の豪華メンバーが勢揃い。
 主題歌が中島みゆき。
 テレビ朝日の、力の入れ具合が分かる。
 こんなに楽しみにしているのに、今日、2話を観るの、忘れた〜  残念な私です。
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2017年02月08日

大河 “直虎”第5回

 とわは禅僧・治郎法師として修業を重ね、10年経っていた。
 戦国時代の世は、武田、北条、今川家が幅を広げていた。
 その中で井伊家は、城を守るため必死だった。
 そんな時、亀之丞が井伊家を継ぐため帰還する。
 亀之丞は、次郎法師が還俗して、自分の嫁になるものと信じていた。
 それは、とわとて同じだったと思う。
 しかし、そこは戦国の世、彼女の出家は、裏切り者の汚名を返上するための条件だったため、許されないことだったのだ。
 もっと驚くのは、それをお家のためならと、すんなりとまではいかなかったけど、受け入れる娘がいたこと。
 今回からやっと柴咲コウの登場となった。
 子役と変わらぬ底抜けに明るいキャラクターに好感が持てた。
 ずっと思い続けた男性と一緒になれないと分かっても、じめじめしない強い女性を、柴咲コウさんはしっかりと演じていた。
 この時代の女性はあたりまえのことだったのか、直虎が特別だったのか。
 今後、彼女の生末にはますます苦難の道が待っていそう。
 何しろ、女城主になるのだから。
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2017年01月24日

映画 “十戒”

 1956年 アメリカ映画
 セシル・B・デミル監督
 原作 聖書
 キャスト チャールトン・ヘストン ユル・ブリンナー アン・バクスター

 あまりにも有名な映画なので、内容を知らないのも恥ずかしいと思い2日に渡って録画し、今日観た次第である。
 いわゆる古代イスラエル民族のリーダーモーゼが、エジプトの王家に、果敢に挑戦していき、奴隷解放を勝ち取っていくという話。
 エジプト王ファラオは、多くのヘブライ人の奴隷を使い、かの有名なピラミッドやスフィンクスを打ち立てた偉大な人物。
 奴隷は絶対的な存在であった。
 王の後継者に決まっていたにも関わらず、同胞を救うため、全てを捨てて戦うモーゼ。
 当然、普通のやり方では勝てるはずがない。
 そこで出現するのは、ファンタジーとスペクタルの世界、ありえないとわかっていても、引き込まれていく。
 海が割れたり、炎の竜巻が現れたり、神はモーゼを助ける。
 そして、究極の見せ場は、炎で掘られた十条の戒めが、山肌に降りてきたこと。
 現在なお繰り広げられている、イスラエルの宗教戦争。
 十戒は守られているのだろうか。
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2017年01月23日

大河ドラマ “直虎”

早くも第3回が終わった。
今回のドラマは主人公直虎の幼少時代が、比較的詳しく描かれている。
しかも最初からドラマティックな展開に、心を鷲掴みされたかも。
そもそも今回の歴史上の人物は、実在はしていた女性だが、はっきりとした史実は残っていないとか。
私が知っているのは幕末の大老井伊直弼。歴史上の人物としては、私の中ではあまりメジャーではない。しかも、直虎は彼の祖先にあたる人物とか。なんでそんな人物を大河ドラマに?誰が選んだの?
でも、それはそれだけ彼女が魅力的ですごい女性だったということだろう。
直虎が生きた時代は戦国時代後期、当時の東海地方の勢力は今川、武田、三河、井伊家はなぜか今川家に迫害される。
そんな中、直虎は井伊家を存続させるため女城主になり、知恵と勇気と愛で、権力に立ち向かっていくというお話…かな。
昨日3回目まで観て思ったこと。
時代とはいえ、10歳でこんなにしっかりしているか、ということ、しかも許婚としての立場を理解して、他の人の心も思いやるなんて、大人だってできないのでは。
 さて、NHK出版の指南書で分かったことだが、大河に直虎を選んだ人も、脚本を書いた人も、ついでに音楽担当も、女性だった。
 女性が主人公のドラマは、女性のプロデュースがいいと、私は常々思っている。
 で、今回、女性に分かりやすいドラマになるのでは、と思っている。
 第4回まで、まだ子役さんが出るみたい。元気でイキイキとした姫役がかわいい。
 柴咲コウさんの透き通った美しさも早く見たいなあ。
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2017年01月14日

朝ドラ “べっぴんさん” 15週

 主人公すみれは34歳、娘さくらは15歳になった。
 さくらを映像で初めて見たとき、私は最初母親のすみれだと思った。
 それほど似ていたのだ。
 しかも、かもしだす雰囲気までそっくり、よくこんなに似た人を探したなあ。
 それにしても子育ての大変さ、大切さはいつの世も普遍的なものなのだと、つくづく感じたのである。
 今、子育てをしている有名人の方々がこぞって、その大変な様子や幸せな様子をブログに公開しておられる。
 私はそれらを覗くのが大好き。
 孫、子を見るように楽しみにして見ている。
 さて、「べっぴんさん」のすみれは、働くお母さんではあるが、愛情豊かに娘を育ててきた。
 なのに、それでもさらに娘は母親を乞うのだ。
 それが叶えられない時、娘はこうも大胆な行動を取るのだろうか。
 つくづく考えさせられた。
 私は、子供の時代も母親の時代も経てきている。
 私の場合、私の母は専業主婦で、私は働く母だった。
 ということは、私はすみれの立場なのだ。
 すみれは一生懸命子育てしていると思っている私。
 でも違っていたかも…。
 子供には(決して過保護ではないが)かけ過ぎるくらいの愛情をかけなければならないということなのか。
 さて来週、さくらはどうなっていくのだろうか。すみれはどう向き合っていくのか。

※今日は寒い1日だった。
 こんな日は温泉へ行くしかないでしょう。
 というわけで、本野温泉へ行った。
 今日は炭酸泉で常連さんと一緒になって、たくさんおしゃべりできた〜。
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2017年01月08日

映画 “海賊と呼ばれた男”

 2016年 日本映画  百田尚樹原作
 監督 山崎 貴
 主演 岡田准一

 原作が2013年本屋大賞第1位だったことで話題になっていたので、タイトルは知っていたが、もちろん本も読んでいないし、映画にもさして興味はなかった。
 たまたまお正月映画だったこと、他に観たい映画がなかったことで、チョイスした次第である。
 思えば、昨年のお正月は「永遠の0」を観た。
 よっぽど百田ファン?岡田准一ファン?と思われがちだが、全くそうではない。
 でも、今回、岡田准一は素晴らしかった。
 主人公、国岡鐡造になりきり度、満点だった。
 百田氏の希望はキムタクだったそうだが、彼では、ザ木村拓哉で終わっているだろう。
 内容は、実在の出光興産創業者出光佐三氏が石油業に命をかけて闘う姿を描いた人間ドラマだった。
 感動したのは、この時代(明治〜昭和)に生きた一実業家の本気度である。
 決して私利私欲ではない、消費者のため、従業員のため、ひいては日本国のため、どんなに厳しい条件でも、不屈の精神で闘っていくということはいかに尊いか、ということだった。
 日本経済は、こういう真摯な実業家たちによって支えられてきたのだ。
 今、各業界で成功を収めている方々にも、夫々尊いドラマがあるのだろう。
 そんなことに思いをはせた次第である。
 2時間があっという間に過ぎたということは、面白かったのかなあ。

※今日夫は、元職地区囲碁クラブ例会に出席。
 成績ーー9段でして3勝2敗  新年初回ということで、お土産に地元酒のにごり酒をもらってきた。これ、美味しい〜。
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2016年12月21日

大河 “真田丸” 最終回

 今回の大河で私は初めて真田幸村という人物の人となり、はたまた徳川と豊臣との戦いにおける彼のポジションを知った。
 振り返れば、彼の人生は、いつも脇役だった。
 青年時代は父親の兄の後ろにいた。
 独立してからは秀吉、家康、石田三成、秀頼の家来だった。
 ということは、堺雅人さんは初回から出ずっぱりではあったが、インパクトがあったのは、むしろ彼らの方だったかも。
 いわゆる主役はその時その時で代わっていった。
 堺さんも、幸村と同じように、主役としてはどこか吹っ切れないところがあったのではなかろうか。
 常にトップではない人生で、しかも最後は大将として残念な結果の負け戦だった。にも関わらず、なぜ彼は後世に名を残したのか。
 考えるに、彼の穏やかな性格と頭の良さ、ここぞという時の勇猛果敢さ。
 何より、深い家族愛が、人望にも繋がったのではなかろうか。
 最終回の視聴率が意外と低いと感じる人もいるだろうが、私は頷けるところがある。
 私の場合だが、私はどうしても豊臣方に味方してしまう。
 豊臣が滅亡するのを見たくない。
 しかも幸村が亡くなる姿を見なければならないなんて。
 この大河が続くなら、私はこの回だけは、スルーしてしまうだろう。
 でも、私は覚悟して、この最終回を観ましたとも。
 下記は、幸村が親族に送った手紙のことばである。戦いにはいつも死を意識していたのでは…
「定めなき浮世にて候へば、一日先は知らざる事に候。我々事などは浮世にあるものとは、おぼしめし候まじく候」
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